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第22回(2003年度)

  • jsyppmeeting
  • 2020年12月21日
  • 読了時間: 3分

@植物生理学会(近畿)

担当幹事:玉置 雅紀(国立環境研)


植物のアスコルビン酸生合成と生理機能

田畑 和文(豊田中央研究所)


 ビタミンCとして知られているアスコルビン酸(AsA; L-ascorbic acid)は、動植物の生存にとって必須な生体物質であり、強力な還元作用をもつことが知られている。ビタミンCの生理作用に関しては、近年医療分野等で注目されており、抗ガン剤や抗ウイルス剤として、また、疲労回復や美白効果など広く効果が報告されている。植物では、AsAは高濃度に生産され、光合成や環境ストレスから生じる活性酸素を除去していると考えられている。また、AsAは細胞分裂・伸長にも深く関与していることが示唆されているが、その機構については明確になっていない。

 AsAの生合成に関する研究は早い時期から行われており、動物ではその生合成経路が明確にされている。一方、植物においては、その生産量にも関わらず生合成経路はほとんど分かっていない。しかしながら、近年の活発な研究により、植物のAsA生合成経路が徐々に明らかになりつつあり、その経路は動物に比べて非常に複雑かつ巧妙であることが分かってきた。最近、カリフラワーやサツマイモにおいて、AsAの前駆体とされているL-ガラクトノ-1,4-ラクトンをAsAへと変換する酵素L-ガラクトノ-1,4-ラクトンデヒドロゲナーゼ(GalLDH)が精製され、一次構造が決定されるとともに、GalLDHが植物におけるAsA生合成の最終酵素である可能性が示された。

 そこで、我々はAsA生合成経路の最終酵素と考えられているGalLDHに焦点をあて、本酵素遺伝子をセンス方向、アンチセンス方向に導入したタバコ形質転換体の作製を行った。得られた形質転換体のAsA含量を調べるとともに、その形質や特徴について詳細な解析を行い、植物におけるAsAの生理機能について考察した。

 本発表においては、我々が作製したGalLDH形質転換タバコの解析をもとに、植物におけるAsAの生理機能(生体防御、細胞分裂・膨張、細胞構築)や、近年急速に解明されつつある植物のAsA生合成経路について紹介する。


細胞分化制御因子 ASYMMETRIC LEAVES 2 の解析

上野 宣久(名古屋大学大学院・理学研究科)


 個々の細胞において、適切な位置で適切な時期に適切な増殖や分化が成立することで、多細胞生物の発生は成し遂げられる。この高度に制御された細胞の増殖や分化を分子のレベルで理解することを目指し、私たちはシロイヌナズナを材料に葉の形態形成を分子遺伝学的に解析している。劣性変異体asymmetric leaves2(as2)では、葉身の形態および葉脈パターンが野生型とは著しく異なり、左右非相称的な葉を形成する。また、as2の葉ではclass1–KNOXが異所的に発現し、ある条件下では高いシュート再生能を示した。これらの結果から、as2変異体の責任遺伝子産物AS2は時間的/空間的に適切な位置に依存した細胞分化を制御していると考えられる。AS2は植物に固有の新奇なタンパク質をコードしており、その産物に相同性の高いドメイン (AS2-domain) を有する遺伝子がシロイヌナズナのゲノム上に41個存在してファミリーを形成している。劣性変異体as1は、as2と酷似した表現型を示す。AS1はキンギョソウの葉の向軸側の分化に関与するPHANのオルソログである。私たちはこれまでに、AS1とAS2は同一の制御系に存在することを遺伝学的に示し、試験管内で直接相互作用することを明らかにしている。左右対称で扁平な葉の発生にAS2がどのように寄与しているか理解を深めるために、グルココルチコイド受容体のリセプタードメイン (GR) を融合したAS2 (AS2-GR)を異所過剰発現する形質転換体を作出し解析した。さらに現在は新奇な相互作用因子を分子遺伝学的に探索している。これらから現在得られている知見を紹介し、葉状器官の発生における軸に依存した細胞分化とAS2の機能について、議論したい。



 
 
 

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